ニッポニア旅行譚

2016年5月より、自転車で旅をしている人のブログです。

2016年5月、愛知県より日本一周中です(迫真)

沖縄より外地遠征中の16年組日本一周チャリダーのブログです。

日本一寒い町、マイナス30度の世界

皆さんはご存知だろうか。


暖冬と呼ばれていた今年の冬
雪が降るのが遅くなったり
雪解けが超早くなったり
色々ニュースになったのも記憶に新しいと思う。


しかし一方で道東のとある町ではマイナス30度を下回り
お祭り状態と化した日があったのだ。


暖冬とは ゚Д゚)


と言いたくもなるけど
なんでも今年最強寒波の日と晴れ日が重なり
寒波襲来&放射冷却のダブルパンチで一気に冷え込んだらしい。


TKG食べようとして卵割ったら黄身が2つ出てきて超カロリーになった
みたいな感じだろう。うまそう


その日人々は濡れタオル片手に外へ出た
タオルをぶん回して町を練り歩き
至る所に凍ったジーンズを作り
熱湯を空にぶちまけ盛大に祝福した。


これは、そんな寒く熱い夜に集った男たちの話──

マイナス30行くんじゃね?!という情報を入手したのは三日前の紋別。
肝心の場所だが、紋別から内陸に200キロくらい進んだ所にある陸別という町。


今は陸別の50キロ程手前の町だ。今日中には着けるだろう。


ちなみに陸別とは日本一寒い町として有名らしい。
なるほど。…なるほど。そういう。


一番寒い町に一番寒い時に行くという。

最後の峠を越える。


その先は地獄だぞ。

そして祭り会場に着いた。
日本一寒い町の冬。
でも日中はマイナス8度と何だか控えめ。


雲も厚いしこれはマイナス30行かないのでは…?と住民達は話していた。
やっぱり何だかんだ言って陸別の人もマイナス30楽しみにしてんじゃん!!?と内心。


何十年も前はマイナス30なんて当たり前だったらしいけど
最近だと滅多に行かないそうです。


懐かしいのかも?
マイナス30以下での武勇伝を沢山聞きました。注意点諸共。

そしてその日はそのまま地元の人しか行かない感じのお店でナポリタンを頂きました。

店全体が傾いている。
けど美味しかった…


結局この日はマイナス20度止まりだった。

翌日、この日の晩から次の日の朝にかけてが最も冷え込むそう。
今夜に期待ですねぇ!


既に誰かが置いたジーパンの置物があった。


特に昼間やる事は無かったので温泉でゆっくり。
温泉施設はここしかないので必然的に昨日お世話になった人や武勇伝の人と会うのですが


「晴れたら30いくね!」との事でした。晴れて!!


その日陸別マイナス30チャレンジの噂を聞きつけもう一人旅人が到着。

日本一周チャリダーのOBOさんだ。
俺も驚いたけど冬の北海道を走っていたもう一人の日本一周勢。


ライダーすらすれ違わないってのに日本一周勢?!


しかもまさかの陸別で大寒波襲来の日という(´Д`)


そしてOBOさんは一人、寝袋片手に大寒波の夜に立ち向かっていった…


しばらくしてOBOさん就寝。
この大寒波の中寝袋一つでマジで寝た。


ちなみに自分は眠らず
折角ならマイナス30度になる瞬間を見届けようと思った。


夜10時過ぎ、空が晴れてきて星が見え始める。
後は放射冷却で冷えるのを待つだけだ。


日付が変わる頃、雲は去り快晴。
気温はぐんぐん下がり-25度に。
ここら辺を境に世界が変わる。


入北前は-10度も-20度も
体感変わらないだろとか思ってたけどやっぱり全然違った。


空気は張り詰め呼吸も苦しい。
吐いた息が顔に付着し凍り付く。
素肌を晒した所から凍傷になるだろう。


人間が穏やかに活動出来る限界ラインがこの辺だと思ったね。

そして深夜三時過ぎ、温度計は遂にマイナス30度を記録。


ここまでくると寒いというか痛いというか…
所謂しばれるって奴だ。

しばれるゥ!

陸別の観測所の記録。
シベリアかな???


そしてマイナス30突破を見届けた後は滅茶苦茶実験した。
TVでやるようなお約束から将来の事を見据えて装備の性能テストなどなど。


え?将来って?いつか北極圏行きたいよねって話です。
マイナス30という、冬装備性能テストの絶好の機会!逃す訳にはいかねェ!


色々やってる内に大寒波の夜が明けた。

ちなみに俺の自転車がテレビに映った…

オホーツク流氷ライド

そうだ


流氷


踏みに行こう。


冬のオホーツク海には流氷が流れてくる事で有名なのです。
凍る海は世界的にも珍しく、地球上の海全体の10パーセント程だとも言われてます。


ここよりももっと寒い、遥か北のシベリアからどんぶらこしてくる訳だ。


でも冬のオホーツクなんてそんな
京都行こうみたいなノリで行ける所じゃないので
流氷はこの際に是非この目に収めておきたい所だ。

宗谷岬も無事に踏んだ。


ここから先は道が変わる。

R238、オホーツク流氷ライドのスタートだぜ!

海側なのにこの積雪量は怯む。
何が起こるか分かんねえなオホーツク側…

冬のオホーツクライン。
まだ流氷見えないのでただのオホーツクライン。


にしても冬景色も綺麗だな。

アスファルト路面が出てるけど
これは風が吹き曝し状態になってる証だ。

オホーツクを渡る寒風が肌を切る。

何気にこの辺のアップダウンは地味に体力を削る。


そういえばここ2年前は16年チャリダーのひろなおさんと一緒に走った思い出。


なんで坂道の方が速いの??
同じ自転車なのにこの速度の差は一体??
ああエンジンの性能が違い過ぎる、と


当時初心者だったワイ
己のレベルを思い知らされた日となった。


比べる相手が居なくてそれまで完全に井の中の蛙になってた自分に強過ぎた薬。
効きすぎてでオセアニアまで飛ばされた模様。


なお副作用はあまりにも大きかった


なんか久し振りにハイになってしまい

走りに走った


あっという間に日が傾く


その日は猿払にて就寝。
宗谷アタック前回と全く同じ日程だったね。


翌朝テントを出たら朝日と共に流氷が拝めると
謎の確信を得ていた旅人が見たものとは。

青い空に青い海(´Д`)
流氷は今日も確認できず。

さぁ今日も一日頑張るぞ。

この謎のオブジェは冬でも映えますねぇ。

こちらもご無沙汰!おこっぺアイス!

なぜ寒くなるとアイスを食べたくなるんだろう?!
お腹いてぇ!!

こちらオホーツク側の神威岬。
夏訪れた時は熊が出るぞと脅されたものですが
熊は冬眠中なので安心してほしい。


でも最近は冬眠しない熊が居るんだって?!
頼むから冬くらい寝ててくれよな。
これ以上ハード要素取り入れたくない。


流氷センターもあるんだしここに行けば流氷が見れるだろう?!

という訳で紋別に来た!流氷どこ?!

どこ・・・?(水平線の彼方)


腹いせに寒さ慣れた自慢します。

これよりマイナス20度の世界ですよね。
でも夜はこの部屋の方が暖かくなります。


ガワです。

半端なくなかった…!(泣)


紋別では流氷こそ見れなかったが聞き逃す事の出来ぬ情報を入手したので

一旦オホーツクラインとはお別れして内陸を目指しています。
内陸で何があるかは次回のお楽しみ…


まぁ祭りみたいなもんだ。

たまには昼から温泉に入るのも良いよね。
温泉に入ったその日は寒さを感じなくなるんですよ。
温泉パワー!!

冬の北海道埋まっちゃったシリーズ。

外国人はこの道の脇にあるアニメ絵にジャポニズムを感じるらしい。
小学生が描いた交通安全の壁画とかも。
田舎の何気ない所にあるのがミソ。

俺はこの景色に北海道みを感じる。


それより牛真っ裸だけど寒くねぇの…?

おお…これが道東内陸部か。
しばらくこの景色を楽しめると思うとワクワクですよォ!

昼間でも中々しばれるけどね!!


本日の目的地に到着。
良さげな所を見つけたのでボーっとしていると差し入れが…

なんか二食分くらい差し入れ頂いたのですが
全部暖かいものだったのでありがたく一気に食した。


久し振りに食で満足感を得られた…(感涙)

氷のキャンドルナイト

まさにお祭り前夜だね?!

厳冬の最北端

敢えて言おう!冬の北海道ツーリングは
日本で経験できる最も過酷なツーリングであると!

旭川を出発して道北エリア、日本の極北地区に来た。冬に。


過酷な冬北ライドの中でも更に酷な道北エリアにレッツラゴーしますよ。


ここを越えれば後は折り返しなんじゃ…!

道北日本海側はホワイトアウト多発のサイレントエリアなので
無難に中央をぐんぐん北上。

道北の補給食
もち米の里にて饅頭を頂く。


名寄の名産とだけあってうまい!


厳冬期の北海道でも保存の効くもち米
昔は重要な保存食だったんだろうと思いながらかぶりつく。

かく言う自分も今回の冬北ライドではお米が大活躍しています。


まず凍らない。これが何よりも重要。
煮炊きする為の水は氷るけどそんなの魔法瓶入れとけばオッケーだし。


醤油とかみりんは意外にもマイナス30度の中放っておいても生きてたし味に困る事も無いのだ。
お米食べよ???ガンガン炊き込もうぜ!!


まぁ冬の北海道で自炊を選ぶならの話だけどね!
普通にホットシェフとか安売り総菜で済ました方がコスパは良いよ。
マイナス十度以下で米研いだり食器洗ったりしてると心折れそうになる。


手間と時間をお金に換えるんだ。
もしかしたら自炊の方が高くついているのかも知れない。

翌朝おばあさんから差し入れを貰う。
なんと息子さんが歩いて日本一周中なのだそうです。


会った当時は九州を歩き回ってたそうで…
歩きさんとなると相当限らるけどSNSはやってないっぽくて分からず。


それが良いよ。
旅×SNSなんてやっぱりやらない方が良い('Д')

雪に白樺って好いよね。


白樺は元々推しなんだけど白樺の深淵を覗いた気がした。

天塩川温泉。
車の通りも皆無だしやってんのかこれ。

日が傾いた頃に音威子府に到着。

冬の道北って大体曇りだから
この一瞬の晴れ間がいつもより綺麗に映るんだ。

その夜は優しい降り方がした。これが雪の結晶ですか。
今までの暴力的な降り方とは違う。
これはクリスマスの夜、町を歩く恋人達に降るタイプの雪だ。

そのまま天候は安定して翌日にはすっきりとした青空が広がりました。
ォオ道北でこんな空が見えるなんて…


しばらく天気が安定するそうなので折角なら日本海側も走ろうぜ!

という事で天塩川沿いに日本海を目指した。

しかしさすが北海道スケール。
内陸から海に出るだけでも一日がかりだよ。


雪が無かったら半日強コースだよね。

天塩にて起床。
今日も天気は安定している?


それでは全ライダー憧れの地に行こうか?!

日本一周出発した頃はこの道に凄い憧れてて
実際にここに立った時は超ウキウキしてたっけ。

その二年後、まさか冬に来るとはな…!

45度線を通過、雪で埋もれてて近づけず。

冬のサロベツ原野を走る。


日常を捨て旅人になった男達
その多くはここを走る。
この道に憧れていた人も多いと思う。


恐らくは初めての経験であろう
地平線まで続く道路と原野


初めてここを走った時はそりゃあ感動しました。
やっぱ写真で見るのとは全然ちげぇ!


今回冬だけど二回目だし直線道路今更だしそこまで感動はしなかったけどな。


皆どんな想いで走るんだろう?

しかしこの氷河期みたいな文明崩壊後の世界観はすこだ…
夏と冬では随分印象が変わるもんで。

厳冬期北海道ツーリング本の表紙絵を撮影。
出版予定は無い。

場所によっては完全なドライ路面の所もある。
やっぱり海沿いってあんまり積もらないんだね?

ガッカリリシリー…(´・ω・`)

シッカリリシリー!(`・ω・´)

記念撮影中の一コマ。


みんな、盛り雪に乗るのはやめようね!

そんなこんなで日本最北の町に到着した。冬に。

夏も冬もここはそんなに変わんねえな。懐かしさでホッコリだ。

稚内では久し振りのライハ泊。
しっかりと休憩して最北端へ向けてチャージだ。

それでは稚内を出発だ。
目指すは最北端、行くぜ宗谷岬!


宗谷アタック前
二年前仲良くなったドナルドのもとへ向かう。

「タス…ケテ…」


そこには「俺が最北のドナルド」と言わんばかりに
ふんぞり返って座っていた当時の彼の姿はもう無い。


見るに耐えない姿を晒していた。
オワコンピエロの末路がこれか…

何も見なかった事にして北を目指す。
北風が吹いていてキツイ。


稚内から宗谷岬までは40キロ程
冬の時期は大体大荒れなので半日は潰すことになるでしょう。


宗谷に着いたとしても果たして余力はあるのか?
考え始めたらキリがなかったのでとりあえず進んだ。

そして

厳寒の候、最北端で候。


正直東北辺りで雪慣れしてる頃は
冬の北海道走ってる自分の姿なんて想像出来なかったし
北海道入ってからも本州帰りたいと思ってたけど


割と何だかやれてる。